自責思考との向き合い方
こんばんは。僕です。
はじめに
日々の業務においては、様々な問題や課題に直面することになります。その際、 「自責思考を大切にしましょう」 と言われることがあります。
自責思考を通じて自分の行動を振り返ることは、改善や成長のきっかけになり得ます。しかし、自責思考を極端に解釈してしまうことで、仕事のモチベーションを失ってしまったり、精神的に落ち込んでしまったりする場合があります。
本稿では、自責思考のポジティブな取り入れ方について考えてみます。
自責思考とその捉え方
自責思考とは、問題や失敗があったときに、その原因を他者や環境だけでなく自分の判断や行動にも見出そうとする思考のことです。業務プロセスやそれを遂行した結果について「自分ごと」であると捉える姿勢に直結します。
ただし、自責思考について「すべての責任を自分が負わなくてはならない」という極端な考え方をしてしまうと、精神的な負担が大きくなり、モチベーションや自信を失う結果となる場合があります。
自責思考という言葉には「責める」という動詞の「責」という文字が含まれるためか、ネガティブに捉えられやすいのかもしれません。
自責思考と自己嫌悪とは違う
極端な自責思考は、自己嫌悪に繋がる可能性があります。失敗を受け止めるときに、自分自身を否定し、「自分はダメな人間だ」「自分には何も解決できない」と思い込むに至るようなケースです。このような思い込みは建設的な行動に結びつきにくく、問題解決から遠ざかる要因ともなりえます。
多くの場合、本来求められている自責思考においては、そういったネガティブな結果は期待されていないはずです。
健全な自責思考を持つには
自責思考が尊重される背景には、
- 問題や失敗が発生しても、なお自分は期待されている
- 自分は、今回の問題や失敗の解決にコミットできる
といったような、自己肯定感や自己効力感に基づいたポジティブな行動に対する期待があると考えられます。
自責思考と向き合うには、どうすれば解決のための行動に結びつきやすいかという観点で、問題や失敗を捉えることが重要になってきます。
自責思考との向き合い方
1. 改善できる部分を具体化する
問題や失敗を振り返る際、曖昧に反省せず、どの部分が自分にも改善できたかを考えます。
「何もかもが間違っていた」というようには考えず、例えば「初めの段階でエッジケースに対する解像度を十分に上げておくべきだった」というように、具体的な言葉にして残しておきます。
なお、自分ひとりでは改善が難しそうな部分については、ほかの人から助けを得られるよう、同僚やマネージャーに相談しましょう。
その際、他責すぎる印象を与えないよう、やはり具体性を大切にしつつ、建設的に伝えられるような準備ができると良さそうです。
2. 1on1などで他者の視点を取り入れる
問題や失敗についてひとりで考えていると、思考が行き詰まってしまいがちです。信頼できる同僚やマネージャーに時間をとってもらい、自分自身の改善点や次のアクションについて話を聞いてもらうことで、ひとりでは気づけなかった新しい視点が得られる場合もあります。
3. 自分の良いところにも目を向ける
月並みな表現ですが、誰にでも失敗はあります。全てを完璧にすることは、不可能です。
結果だけを見て自分自身を責めるのは、やめましょう。もっと業務のプロセスに目を向けて、
- 良い行動はあったか
- 良い行動をより良くするには何が必要か
- 今回のことでどのようなことを学んだか
といった前向きな視点も大切にすると良さそうです。
おわりに
自責思考によって、自分の判断や行動を振り返り、改善につなげる機会が得られます。しかし捉え方次第で、自己嫌悪にすり替わってしまいがちなので、注意が必要です。
自分を必要以上に責めず、まわりの人と協力しながら具体的な改善点を見つけて、次のステップに向けて建設的に動き出していきましょう。